山口県の21世紀土地改良区創造運動事例
【豊かな土地改良区の創造型】
地域に密着 農地よろず相談 玖珂郡周東町祖生土地改良区
これからの土地改良区の役割を掘り起こす
 玖珂郡周東町祖生土地改良区の事務所は、JAの倉庫の一角を拝借しています。いつでも誰でも立ち寄りやすいことから、人の出入りが頻繁にあり、世間話も、地域の情報交換の一助になっています。こうした経緯もあってか、
●農地を転用したいがどうしたらいいか?
●農地を誰かに預けたいがどうしたらいいか?
●イノシシが出て困っている、なんとかならないか?

など、本来は業務でない分野の相談も寄せられ、農地よろず相談所となっています。
 しかし、こうした事実こそが、これからの中山間地域における土地改良区の果たすべき役割を示唆しているのではないでしょうか。580戸あまりの農家のほとんどが2種兼業で、水田だけならまだしも、付帯法面、水路、道路の地元管理の負担が少数に重くのしかかっています。そこで、中山間地域等直接支払制度に積極的に取り組み、町役場と連携し、5協定・150ha・290名の集落協定締結にこぎつけました。
●地区(面積)/周東町(450ha) ●設立/S28 ●組合員数(職員)/582人(2人)
●事業内容/用排水管理 ●連絡先/0827-85-0944

住居と農地を地域で守る 小行司土地改良区
土地改良区と生産法人が一体となり地域の農地を保全
 1市3町をまたぐ小行司地区は、ほ場整備着工と平行し連担化や作業受委託を進め、平成10年に農事組合法人を併設しました。土地改良区と農事法人がひとつ屋根の下で一体となり、作業受託(約9割)を成し遂げました。先祖より受け継いだ農地と集落をいかに維持するかがテーマです。
 またホームページ
http://ww51.tiki.ne.jp/~kogyoji-net/
を地域情報の発信・収集の手段として導入・活用し、「小行司むらまつり」「イチゴまつり」などの地域活動に土地改良区と農事組合法人が参画しています。基本方針は、行政区を越えて『一集落一農場』をめざし、みんなで守り育てる『互譲互助』を目標に、地域活性化と法人の安定経営を図ることにあります。
●地区(面積)/田布施町(飛び地)、柳井市、周東町、大和町(54ha) ●設立/H7 ●組合員数(職員)/65人(1人)
●事業内容/用排水管理、農道管理 ●連絡先/0820-53-3113


土地改良区直販所で地域交流 熊毛郡田布施町上田布施土地改良区
地産地消の実践と豊かな土地改良区の創造
 田布施町上田布施土地改良区は、巷で見られる農産物の直販所を「土地改良区」の名で運営しています。組合員が作る野菜の鮮度と安さが人気を呼び「地産地消」の小さな実践モデルとして土地改良区の新たな方向性がうかがえます。
 地区内の営農集団でスタートした直販所は、その後、土地改良区組合員から出荷希望がもちあがり、土地改良区PRの良い機会として「土地改良区直販所」と看板を掲げて再出発。
 土地改良区組合員ならば誰でも出荷できるシステムで、日曜日のみの営業だが、朝7時の開店後約1時間でほとんどの商品が売り切れる盛況ぶり。場所が隣接の柳井市境にあることから、柳井市民もターゲットになっている。商品は野菜、花、米、もち粉、そば粉、竹炭などで、コイン精米機まで完備。鮮度と価格がウリで50円、100円といった破格値で販売されています。
 この試みの内部効果として「組合員が豊かになる」という点が注目され、また、経済的な豊かさとともに「作る喜び、売れる喜び」が醸成され、組合員間の連帯感と競争意識の高揚により土地改良区運営の安定化に大きく寄与しています。
 「他の土地改良区とも連携して、将来的に直販所の規模拡大ができるよう調整中」と理事長の談。昨年より「ピンクのそば祭り」といったイベントも手がけるなど、地域に浸透して生きる試みの更なる発展が期待されます。
●地区(面積)/田布施町(49ha) ●設立/H4 ●組合員数(職員)/91人(0人)
●事業内容/用排水管理、農道管理 ●連絡先/0820-52-1820